雑誌「WEDGE」 2009年2月号の表紙です。正社員という概念や、ホワイトカラーという概念や、がいりみだれて複雑な労働政策の問題です。
『正社員の雇用保障を弱め社会の二極化を防げ』
大竹文雄(大阪大学社会経済研究所教授)
P35
例えば、「非正規切り」が正社員自身の雇用調整や賃金カットにつながる仕組みを作ることも一つの方法である。
『正規/非正規の垣根を越えたワークシェアリングは不可能か』
編集部
P39
しかし、時短と収入減で雇用創出を行う考え方は日本になかなか浸透しない。欧州の労働情勢に詳しい小倉一哉氏(労働政策研究・研修機構主任研究員)はこう説明する。
欧州では基本的に賃金は労働時間で説明できるが、日本は諸手当やボーナスの額が大きいため、労働時間と賃金がリンクしていない。そもそも、所得より余暇の増加を望む欧州と違って、日本の労働者は時短や収入減を受け入れたがらないという国民性もある。
その上、日本では残業手当の割増率は25%以上だが、欧州では通常50%、深夜や休日なら100%で、・・・
労働時間については、「労働基準法の一部を改正する法律」が第170回国会で可決成立し、平成20年12月12日に公布されました。超過勤務手当の料率を引き上げる改正です。
ホワイトカラー・エグゼンプションはありません。高給取りのホワイトカラーについては、超過勤務手当を一切不要とする立法政策もあるのです。どのくらいが高給取りかという点については、たとえば「最低賃金(1時間700円位で地域ごとに違う)の1万倍の年収以上」とかの線引きが必要です。現在の労働基準法41条2号「管理職」の解釈とはちがった線引きを作ることも大変な政治問題になります。それだけでなくて、雇用の流動性が確保されていないとホワイトカラー・エグゼンプションは悪法になってしまいます。企業としては、幹部社員には「正社員」としての忠誠を求めているのでしょう。
同じ雑誌には、こんな記事も
『聞こえる不協和音 社内弁護士・会計士 プロはなじむのか』
WEDGE Report
P52
いつでも会社を辞めて他の職場で働ける可能性の高い弁護士、会計士に組織への忠誠心があるのか、という疑問。日本企業の考えは「専門分野だけでなく、営業等幅広い分野を経験して、その企業の価値を分かってもらいたい」(前述の小畑氏)というもので、「入社いただいた以上、企業人として、できる限り長く勤めてもらうことを希望している」(法務部門に社内弁護士を7人抱えるパナソニック法務企画グループ東京法務室室長・坂田礼司氏)。
弁護士・会計士・MBAなどがホワイトカラーの典型なのですが、日本企業にはなじめないというリポートです。
なお、「労働基準法の一部を改正する法律」の改正は、平成22年4月1日から施行です。
ただし、中小事業主に対しては、一部について猶予措置があります。すなわち当分の間猶予されるのは、「60時間を超える時間外労働に対しての割増賃金50%以上」と改正する部分だけで、それ以外について猶予措置はありません(第138条)。ここでの中小事業主とは、資本金の額又は出資の総額が3億円(小売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については5,000万円、卸売業を主たる事業とする事業主については50人、卸売業又はサービス業を主たる事業とする事業主については100人)以下である事業をいいます。
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