カテゴリー「事業承継講座」の記事

2009年8月13日 (木)

【事業承継】納税猶予に関するQ&A

平成21年税制改正でトピックだった、非上場株式を相続・贈与した場合の納税猶予制度について、国税庁がQ&Aをだしました。

『非上場株式等についての相続税・贈与税の納税猶予~担保の提供に関するQ&A~』

http://www.nta.go.jp/tetsuzuki/nofu-shomei/enno-butsuno/qa/index_6.htm

詳しくは、税理士さんにお問い合わせ下さい。私にでなくhappy01

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2009年6月24日 (水)

【事業承継】一澤帆布

大学院での授業で毎年第一番目のケース・スタディ題材にさせて頂いている、一澤帆布の相続紛争。「今度は3男側勝訴」です。相続発生は2001年ですから、10年まではかかりませんでした。

リンク: 京のかばん店「一澤帆布」相続訴訟、三男側の勝訴確定 : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞).

clip先代会長には2通の遺言書があり、先に作成された遺言書には、三男夫妻に保有株の大半を遺贈すると書かれていたが、2通目の遺言書には、「長男と四男だけに株を相続させる」と記され、裁判では2通目の遺言書が本物かどうかが争われていた。clip

事業承継的には、断然、先の遺言に合理性がありました。税理士と弁護士が関与した、事業承継対策遺言に見えます。この遺言を遺して、なおかつ最高裁事件が2つもできてしまったのです。

民訴法的にも、立証技術的にも、興味深い事件です。

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2008年12月20日 (土)

【事業承継】ハンドブック経営承継円滑化法対応版

日本大学の経営大学院で、来年も「事業承継とMBO」のクラスを持つことになりました。来年用のシラバスを作成して、大学院に提出しなければならない時期です。シラバスというのは、毎回の授業内容の概要のことです。

そのタイミングで、経営承継円滑化法の解説として抜群に分かりやすいパンフレットが出ました。来年の日本大学MBAでの指定「参考書」にしようかな。

リンク: 中小企業庁:事業承継ハンドブック 20問20答 経営承継円滑化法対応版.

上のリンクで、中小企業庁から取り寄せが出来るようです。

授業を持っているのだから、本でも書いてしまおうかな。『信託法』についての共著の原稿は、だいぶ前に出版社に預けたし。

しかし、「九天社」さんは倒産しちゃったし。どこから出版しようかbook

九天社が倒産して、原稿料もらえなくて、アフィリエイトを始めたときの日記https://app.cocolog-nifty.com/t/app/weblog/post?__mode=edit_entry&id=52761308&blog_id=610594

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2008年11月29日 (土)

【再生】事業再生ADR

先週11月26日に、事業再生協議会が申請していた仲裁機関である「事業再生ADR」(注1)について、経済産業省は認証をしました。

これで、銀行団との間だけで、事業再生を裁判所外での仲裁という手続きで債権カットをしてもらうヴェニューがひとつ増えました。商取引の取引先(仕入先・下請け)に迷惑を掛けずに、金融債権をカットをしてもらえるのは、メリットが大きいでしょう。

リンク: 総合/中小再生、迅速化目指す 経産省、月内にもADR制度 - FujiSankei Business i./Bloomberg GLOBAL FINANCE.

http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/200811150120a.nwc

ただし、この事業再生ADRが対象とするのは、昨年3月に解散した産業再生機構が扱ったような大型案件を対象にしているような感じがします。中小企業にはどうかな???

第一に、費用面で、負債20億の場合で、ADRへの支払い800万(3ヶ月位で3回の合計)+CPA費用+顧問弁護士費用ということです。手続き中の銀行への返済をストップさせてもらうことは当然でしょう。オートマチック・ステイは立法してもらいたいところです(注2)。

第二に、銀行借入残高のカットが得られたとしても、原則として経営者責任・株主責任が要求されてしまっては、中小企業としては足踏みしてしまいますね、経験上。東京地裁民事八部の特定調停で、息子へのバトンタッチということで成功した経験はありますが。

第三に、中小企業再生支援協議会も、当初は債権カットが得られると期待されていたのに、現実にはいわゆる「リスケ」にしかなっていません。という現実があるので、中小企業にはこの事業再生ADRの恩恵はないのかも知れません。

上記の3点は、(内部での情報でHPにも公表前らしいので)、幹部諸先生にご配慮を願いたい諸点です。今どき、20億円超を借りたまま生き続けている中小企業をお見かけしないのです。私ども中堅弁護士は。

『再生マーケット』とかの用語をお使いの、「お金の単位は億円でしか数えないし、自分のフィーもそうだ。」という面々に、諸弁護士先輩が乗せられているのではないかと危惧します。

(注1)ADRは、Altanative Dispute Resolution(裁判外紛争解決手段)だが、「事業再生ADR」では自らの固有名詞とすることにしました。

(注2)米法との比較法的には、Automatic StayとOrdenary course of bissinessが立法的に必要です。未だに立法されないのは、日本国家が独自性を主張しているのか、邦銀が反対してアメリカ金融からの優位性を確保しようとしているのか、いずれにせよ中小企業が犠牲になっています。

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2008年11月28日 (金)

【ケース1】一澤帆布、前社長側が逆転勝訴 大阪高裁

MBA(経営大学院)の事業承継クラスでレポート題材にさせていただいている、一澤帆布の遺言書をめぐっての新判決です。ようやく道筋がたってきたようです。

第一遺言書は相続対策として良い物なのに、第二遺言書はまったくナンセンスな内容なのです。印鑑もおかしいし。ところが、2004年に最高裁は、「無効といえる十分な証拠がない。」として、第二遺言書が有効であることを前提として判断したのです。院生さん達はおおむね、第二遺言書は「いかがわしい」、との感想なので市民感覚と法廷の中との乖離がありました。

リンク: asahi.com(朝日新聞社):「一澤帆布」遺言訴訟、前社長側が逆転勝訴 大阪高裁 - 社会.

さて、遺言を偽造すると、どうなるのでしたっけ。来学期は、そこまでレポートしてもらう事になりそうです。

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2008年11月 2日 (日)

【事業承継】番外:ファニーメイと自己信託

サププライム問題で日本人にも知られるようになったファニーメイが、こんなかたちで平成17年の金融審議会で話題になっていました、というだけのことです。

ファニーメイ(連邦住宅抵当公庫)については、

リンク: Fe-MAIL 金融危機 : サブプライムローン : 金融パニック.

ウィキペディア:http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%80%A3%E9%82%A6%E4%BD%8F%E5%AE%85%E6%8A%B5%E5%BD%93%E5%85%AC%E5%BA%AB

サブプライムローンを証券化するときに、「信託」という手法を用います。信託制度は、アメリカで独自の発展を遂げて、金融手法のヴィークル(手法を乗せて走る車)として盛んに用いられるようになりました。

平成17年11月29日の金融審議会では、信託法改正にあたって、「自己信託」を取り入れるかどうか、が審議されました。その後、平成18年10月27日衆議院法務委員会では、「・・・アメリカにおいても(自己信託は)・・・ビジネス分野では使われていない・・・自社資産の流動化を目的として信託宣言を利用した例は、ファニーメイの住宅ローン債権流動化のみで・・・」(衆法5号)などと議論されていたと言うことです。

結局、新「信託法」は日本にもその自己信託制度を導入しました。そればかりか、受託者兼受益者の自己信託まで許容しています。そこまでは、アメリカの統一信託法典402条(a)(5)が否定しているのです。(参照:新井誠「信託法[第3版]」p194、2008/3/10有斐閣)

つまり、日本の現行「信託法」は、資産流動化金融業界に優しい法律になっています。

自己信託はアメリカでは、金融よりむしろファミリー信託で用いられているようです。つまり、事業承継に関連した分野では健全に発展出来るのでしょう。

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2008年9月16日 (火)

【事業承継】第14講:円滑化法いよいよ10月1日施行

リンク: 中小企業における経営の承継の円滑化に関する法律案(METI/経済産業省).

経営承継円滑化法の概要

        1,遺留分の特例

    2,金融支援

    3,税制の特例

 2008年5月16日公布された中小企業経営承継円滑化法(以下、「新法」)が、9月5日に施行規則もできて、いよいよ10月1日から施行です。

 そろそろ、日大のMBAの秋学期が始まるので、新法の副読本を、清文社の『中小企業の事業承継 経営承継円滑化法対応版』牧口春一、齋藤孝一(2008年6月20日発行)と決めました。他にも法律部分が充実しているものがありますが、この本のコラムがおもしろいのです。信託など最新分野も充実しています。学生が買い求める六法に収録されていない新法が巻末についているし、索引がついていることが魅力的です。もっと簡単に即効性のある本を、とのご要望ならば、「平成20年度 税制改正と生命保険活用」染宮勝己、(2008年4月26日発行)は如何でしょう。こちらは32ページしかないパンフレットのようなものです。もしかしたら生保の営業用に作られているのかも知れません。生保の実際の活用については、「生命保険の専門家に相談することをお勧めします。」(p19)ですってhappy01

 大学院での講座としては、第1講からこの新法を紹介するのですが、旧法の問題点と新法ということでポツリポツリと該当箇所ごとの講義でふれて、第14講で条文順に復習のまとめ講義をしてみようかと思います。

 そこで、この新法についてポイントを整理しておきましょう。

 
 「特例中小企業者」「旧代表者」「後継者」について、定義規定(第3条)がある。上場会社には関係なし。適用があるかどうかは、会社の資本金・従業員数・業種によって決まる。

1,遺留分に関する民法の特例
(1)除外合意(第4条1項1号)
 後継者が遺留分権利者全員との合意で、旧代表者から後継者へ生前贈与された自社株式を、遺留分算定の基準財産から除外できる。ただし、合意対象の自社株を除いて後継者の議決権比率が50%以下でなければならない。すでに50%を売買などによって後継者が取得済みならば経営承継は完了済みとの趣旨。場合によっては、後継者所有の自己株式を手放して50%以下に戻してから、本法の適用をうけることも検討対象。後継者が後継をやめた場合の措置も合意しておく必要がある(同3項)
(2)評価固定合意(同項2号)
 生前贈与後に株式価値が後継者の貢献により上昇した場合でも、遺留分の算定に際して、生前贈与株式の価額を当該合意時の評価額で予め固定できる。価格の相当性については証明書が必要。
(3)追加合意
 あわせて自社株式以外の財産についても除外合意できる。
(4)手続き
 「経済産業大臣の確認」(第7条)では、株式処分や経営非従事により現実に後継者といえなくなった場合の措置の合意(第4条3項)などが審査対象となる。また、「家庭裁判所の許可」(第8条)が必要で、許可の要件として代償措置などにより公平が保たれることが要求される見込み。
(5)合意の効力の消滅
 後継者の死亡等、また、推定相続人が増えたとき、などの場合には失効する。

2,支援措置(第14条)
 代表者個人による自社株式や事業用資産の買取り資金(MBO資金の場合を含む。)、相続税、遺留分減殺請求への対応資金を、(株)日本政策金融公庫(10月1日からの名称)が、認定中小企業者(12条1項に定義)の代表者に貸し付ける。「資産保有型会社」については適用が無い(同法施行規則第6条1項⑦ロ)が、同2項で例外あり従業員5人以上ならだいたいOK。 

3,「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度」創設の日程(附則第2条)
 2009年度税制改正で株式等の課税価格の80%に対応する相続税の納税を猶予する閣議決定(2008年1月11日)がある。2009年の通常国会に提出予定の税法の一部改正法案において手当され、2008年10月1日(本法施行日)以後に開始した相続に遡って適用される予定。猶予後後継者の死亡で免除。法定相続分課税方式から資産取得課税方式へ。

4,本法律は2008年10月1日から施行されるが、遺留分に関する民法の特例に係る規定については、公布の日(2008年5月16日)から1年以内に政令で定める日(未定?)。つまり、10月1日から施行は支援措置だけ。

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2008年8月19日 (火)

夏休みの宿題

リンク: asahi.com(朝日新聞社):大阪桐蔭が17年ぶり2度目の優勝 夏の甲子園決勝戦 - スポーツニュース - 関西.

高校野球が終わると、夏休みもあとわずか。
宿題が気になり始めた事が、懐かしい。

そういえば、私の宿題えんぴつ
秋学期のために、今年5月9日に成立した『中小企業経営承継円滑化法』を盛り込んだ副読本を選ばなきゃ。私は、某MBAでの事業承継の授業を持っているのです。
何冊か副読本の候補を買い揃えましたので、早急に読破しないと飛行機

ホントは、副読本を選ぶのではなくて、自分で書きたかったのだけれど自転車

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2008年6月27日 (金)

事業承継講座(9)α版

【事業承継 第9講 事業の自己信託】 

MBAでの講義に役立つかな、と思いついたことを時々mixiに書いていましたので、ここにも。なお、単なるメモなので、ご理解いただこうと思って書いているわけではありません。悪しからずご了承ください。順不同です。年度によって、シラバスが変わりますので番号はテキトーとお考えください。

事業承継のツールとして信託を使えないか、という視点から信託法の勉強会に入れてもらいました。信託法分野は大改正の影響で出版ブームです。

(1)事業の自己信託

改正の一つの特徴として容認された「自己信託」とは、自分の財産を分別管理して自分に信託するというスキームです。ファイナンスのツールとして需要が見込まれたのでしょう。自己信託の対象は、個別の財産だけでなく、「事業」も可能です。会社の一部の事業を自己信託にして、証券化する事などを想定しているようです。

証券化などという規模でない中小企業での、均分相続対策としても利用出来るのではないでしょうか。

つまり、会社分割をせずに、株式の分散もさせず、事業ごとの収益の受益権を兄弟に分けたらどうだろう。

(注) トラッキング・ストックのようなものといえます。 リンク: あずさ監査法人 | トラッキング・ストック ソニーが子会社連動株式という種類株を発行して話題になりましたが、流行はしていないようです。


(2)その課題

  • 会社法上は事業譲渡と同じく総会決議事項(法§266II、会§467 I ②)となる場合もある。

  • 許認可事業の場合には、規模などの要件について問題にされることもあるのでは?また、指名入札なども。

  • 旧法下で事業信託の具体例がないわけだから、仕入れ部品や入金管理についての分別方法など、未解決の法解釈問題がある。

  • 信託税制についても要注意。含み益を顕在化することになると思われる。

(3)具体的な活用可能性

授業日までに考えてみよう。

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